曖昧になりがちな点をいくつかピックアップ。NCプログラムを作成する前に気を付けておきたいいくつかの注意点
①外形寸法に公差のある製品のネスティングは、シートの最初に行うこと
特に複数製品を同時に加工する際に気を付けておきたいこと。同一シート内でも熱影響などによって外形寸法は狂いやすいので最初に加工するのが推奨されている。
②タングステンの加工時の条件
タングステンはステンレスの加工条件を適用するが、2022年現在留意すべき点は
1.タングステンの切断条件は板厚の2倍の条件を適用する。タングステンの0.1tならSUS0.2t。タングステンの0.3tならsus0.6tなど。機械側でテーブルの変更が出来るのでプログラム作業者側としては最初の出力の時点で板厚を倍にしたデータで出すか、コメントで書き入れておくこと
2.ジョイント量を2倍ほどにする。タングステンは硬く割れやすいためジョイント量を従来の0.6~0.7ではなく1.2~1.4程度多めにとる必要がある
③曲げ加工時の製品の割れ(クラック)のケア
ある程度の厚みのある材料や、硬い材料は曲げ加工時にクラックが発生する可能性があるので、製品に目方向指定が無い場合は曲げに合わせて製品を回転させてネスティングする必要がある。
アルミの場合 2.5t以上の製品の場合目方向に沿って曲げるように配置する
チタンなどアルミ以外 目方向に対して垂直になるように配置する
④レーザー加工のスタート地点
従来は曲げ加工時のバックゲージへのあたりを考慮して曲げ加工に対して垂直な面に対してスタートエンドを割り付けることは避けて、曲げ線を目安にスタートエンドを割り付けていた。しかしある程度の板厚(SPH4.0以上)になるとスタートエンドが割れ(クラック)のようになってしまうため曲げ線直下への割付を禁止することになった。(2022年10月)
⑤複合機における下向きの成型加工について
従来は下向きの成型、特に下向きバーリングタップ加工はテーブルとの衝突や擦過におけるバーリングの変形を考慮して一個ずつの加工(部品単位での加工)を推奨してきたが、加工時間の減少と不良品リスクを鑑みた結果全数加工(工具単位での加工)を基本とすることに変更した。(2023年3月)